ブランド戦略成功の秘訣を考える。無印良品のケース。

146台湾でも大人気の日本ブランド、「無印良品」はほとんどの方がご存知だと思います。
無印良品は、株式会社良品計画(東京都豊島区)のブランドで、日本国内で直営店、商品供給店を含めて約400店舗、海外ではヨーロッパ、アジア、オーストラリア等を含め約260店舗ほどを擁しています。台湾には約30店舗あり、無印良品は日本に負けないくらい大人気です。

台湾進出において、ブランドを確立するために、ブランディング戦略を策定し実行することはとても大切なことです。なぜならば、ブランドがなければ、外国から来た製品をわざわざ買う理由は台湾の消費者には無いからです。無印良品のように、強力なブランドがあってこそ、台湾の消費者はそれに対して何らかの愛着を感じ商品を購入するのです。

ブランド無しの薄利多売で勝負しようとしても、地元の商品と競争し勝ち残っていくのは非常に厳しいものと予想されます。台湾進出をする日本企業の多くが行っている戦略は、ブランディング戦略を策定して勝負していることなのです。

そこで今回は、台湾進出でのブランド構築に役立つツールとして、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー教授が提唱する「3iモデル」を前述の株式会社良品計画の「無印良品」をケースにしてご紹介します。

コトラー教授の3iモデルとは

コトラー教授の3iモデルでは、マーケティングは「ブランド」と「ポジショニング」と「差別化」のバランスがとれた三角形として定義しています。これらの三角形をバランス良くするために、それぞれ

赤やじるしブランド・アイデンティティ(Brand Identity)、
赤やじるしブランド・インテグリティ(Brand Integrity)、
赤やじるしブランド・イメージ(Brand Image)

の3つの要素を打ち出しています。

3imodel

台湾における無印良品のケース

では、この3iモデルを説明するために、無印良品のケースを考察していきましょう。
まず無印良品のそれぞれのブランド、ポジショニング、差別化はどういったものがあるか考えてみます。
(※以降の考察は、株式会社良品計画が正式に発表しているものではなく、当協会の見解ですのでご了承下さい。)

赤やじるしブランド:無印良品
赤やじるしポジショニング:
お手ごろ価格で天然素材、シンプルをテーマとした生活用品を提供する企業
赤やじるし差別化:「感じ良いくらし」を研究し実現する。

3imodel2

ゆび矢印●ブランド・アイデンティティ(Brand Identity)
e3536e5e54a6fd5a47e54606b6b8f425_s企業のブランド・アイデンティティは、「ブランド」と「ポジショニング」によって支えられています。企業のブランドを、消費者のマインド内にポジショニングすることで、そのブランドが消費者の頭の中で明確化します。

無印良品は、洋服、家具、文房具、キッチン用品などの生活用品が、お手ごろ価格で購入したいという消費者に対して、頭の中に「無印良品」ブランドを思い浮かべてもらうことに成功しています。また、天然素材を使用したシンプルのデザインが特徴で、シンプルライフを好む消費者から支持を得ています。

デパートなどで無印良品のロゴを見ただけで、台湾人消費者は「天然素材を使用したシンプルなデザインの生活用品がお手ごろ価格で購入できる場所」であることを認識しているのです。

もし、無印良品の価格設定が、台湾の夜市にあるような低価格の商品から高級ブランドに近い価格帯まですべて取り揃えていたら、ポジショニングの「お手ごろな価格で」と言う部分が崩れてしまい、ブランド・アイデンティティを確立するのは難しくなっていたことでしょう。
また同様に、少しバラエティ感を出そうとして、デザインを少し派手にしてしまったり、テイストを少し変えて天然素材を使わなくなったりすると、無印良品のポジショニングが崩れてしまい、ブランド・アイデンティティを確立することはできなかったでしょう。

無印良品がこれまで台湾でのブランディングに成功している理由のひとつは、天然素材を使用したシンプルな商品を手ごろな価格で顧客に提供することで、ポジションを明確にしてきたことにあります。消費者は無印良品というブランドとそのポジショニングを認識しているのです。

ゆび矢印●ブランド・インテグリティ(Brand Integrity)
363093c085eda22dcdd4a312c14aa660_sブランド・インテグリティは、企業の「ポジショニング」と「差別化」によって、企業が主張していることを実現することです。台湾人消費者が、お手頃価格で購入できる天然素材を使用したシンプルなデザインの生活用品として、無印良品を思い浮かべたとしても、そこで無印良品で商品を購入すると判断できるわけではありません。消費者に無印良品で購入してもらう判断をするためには、差別化が必要になってくるのです。

そこで、無印良品が打ち出している差別化は、「感じ良いくらし」です。無印良品は、「感じ良いくらし」を研究し実現する企業として、以下の5つの活動を社員と共有しています。

点矢印画像・「天然資源の保全」:再生紙やオーガニックコットンを活用など
点矢印画像・「安全・安心への配慮」:災害時にも活用できる商品の開発など
点矢印画像・「温暖化への配慮」:自社センターにソーラーパネルの設置など
点矢印画像・「絆を大切にする活動」:顧客との接点を大切にしたキャンペーンなど
点矢印画像・「ムダをなくす取り組み」:包装の簡易化、素材・工程の点検など

これら独自の活動を通じて、無印良品は消費者に対して無印商品は「感じ良いくらし」を提供することを約束しているのです。

企業は差別化で約束し、消費者から信頼を得ています。この消費者の信頼を裏切ってはいけません。これらの取り組みを実行するからこそ、他社との差別化としてブランドを維持することができるのです。ひとつでも怠ったりすると、それは消費者を裏切ったことになるのです。

ゆび矢印●ブランド・イメージ(Brand Image)
d412727fcfa6687e1b86d572bc60cfdd_sブランド・イメージは、「差別化」と「ブランドに」よって支えられています。ブランド・イメージは、消費者のハートをがっちりつかむ役割を果たします。

台湾人消費者から
「なぜだかわからないけれどそのブランドが好き。」
「そのブランドのロゴを見ると、ついついお店に入りたくなる。」
「無印良品の商品に囲まれていると自分が『感じ良いくらし』を満喫しているように感じる。」
と言うようなブランド・イメージを持ってもらうことが重要なのです。

「『感じ良いくらし』ができるのは、無印良品。」
「無印良品といえば、『感じ良いくらし』ができる。」
という関係を消費者の頭の中に刷り込むことができれば、ブランド・イメージは確立します。

台湾進出で成功するブランディングを行うには、このような無印良品のケースのように、ブランド・アイデンティティ(Brand Identity)、ブランド・インテグリティ(Brand Integrity)、ブランド・イメージ(Brand Image)の3つの要素をバランスよく持つことが大切なのです。

このブランドを確立させたら、消費者にブランドのイメージを明確化してもらい、その信頼を決して裏切りてはいけません。どうしても商品を変更する必要が出てきた場合は、別ブランドで販売することを考えなくてはいけません。

ブランドは、ある程度まで成長すると企業の手から離れ、消費者のものになるとコトラー教授は述べています。企業が勝手に確立されたブランドを変更することは許されないのです。ブランドは消費者の支持によって支えられているのです。

台湾に進出する多くの日本企業は、ノーブランドを薄利多売で売るのではなく、ブランドを確立して売りたい、と考えている企業が多いでしょう。台湾進出で成功し利益をあげていくためには、台湾人消費者に正しいメッセージを送り続けることがとても大切です。

af3c3936413d3ea1126cf02bd47136dd_s

まとめ

台湾進出において、自社のブランド度を確立することはとても重要な要素です。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のフィリップ・コトラー教授の「3iモデル」によると、
ブランド・アイデンティティ(Brand Identity)、ブランド・インテグリティ(Brand Integrity)、ブランド・イメージ(Brand Image)の3つの要素をバランスよく持つことが大切なのです。

【注意】本ページの画像は株式会社良品計画及び無印良品とは一切関係ございません。

事業計画書に関するブログ

Copyright(c) 2017 BATH All Rights Reserved.