台湾事業の位置づけを評価してみよう。BCGマトリクスの話。

2014-12-12

a56cec7bdf1496bded2112aef3fe0cb2_sBCGマトリクス(The BCG growth-share matrix)という言葉をご存知でしょうか?BCGマトリクスとは、戦略系コンサルティング会社の大手、ボストンコンサルティンググループが1970年に開発した理論で、今では企業の事業ポートフォーリオを分析するには欠かせないツールとなっています。

企業の事業ポートフォーリオとは、多角化経営をしている企業群が持つ複数の事業の組み合わせを言います。企業が成長し多角化経営をすると、いつくかの事業を持つことになります。たとえば、台湾の食品関連会社最大手の「統一企業」は、コア事業である食品事業の他、関連会社による百貨店事業、プロ野球事業、宅配事業、インターネット事業、証券事業など複数の事業をもっています。

統一企業のような大規模に考える必要はなく、たとえば、台湾進出を目指す日本企業は国内事業、海外事業と分けることができ、海外事業の中でも、台湾事業、中国事業、欧州事業、北米事業などと国や地域で分けることもあります。それぞれの国・地域でも活動が大きくなれば、現在国内で行っている事業と同様に、台湾、中国、欧州、北米などの事業を分割して考えるのが一般的です。国内と各国、地域のマーケット、顧客のニーズは変わってくることが多いためです。

事業は国・地域などのマーケットごと、または商品ごとに分割されることになり、それぞれターゲット顧客のニーズにあったマーケティング戦略を立てていくことになります

このように事業を複数持ったとき役立つツールが、上述のBCGマトリクスです。BCGマトリクスを使って、今後のマーケットニーズのポテンシャルだけではなく、現在のキャッシュフローを注意深く見ながら事業を分割してみると、「まだまだ立ち上げたばかりの事業」「成熟期に達して会社全体の売上を維持する事業」「今乗りに乗っている稼ぎ頭の事業」「売却すべき事業」等、それぞれに事業に特徴が現れてきます。

BCGマトリクスでは、自社の事業をそれぞれ「マーケットの成長率」と「マーケットシェア」の視点から考察することで、事業を「花形(Stars)」「金のなる木(Cash cows)」「問題児(Problem children)」「負け犬(Dogs)」の4つの分類することができるとしています。

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それではこの4つの分類にはどのような特徴があるのか見ていきましょう。

BCGマトリクスによる4つの分類

ゆび矢印「花形(Stars)」
マーケットが成長期にあり、マーケットシェアも高い稼ぎ頭の事業です。利益率も高い一方で、会社としても最優先で資金を投入すべき事業と認識しており、会社の顔的存在になる事業です。その一方で、これらの事業を継続、維持するには多くの資金が必要になりますが、その投資をカバーするだけの売上を上げるのがこの花形です。
しかしながら、マーケットは未来永劫に変化しない、ということはありません。この花形は、いずれマーケットが成熟期に達すると、後述の「金のなる木(Cash cows)」へと変化します。

ゆび矢印「金のなる木(Cash cows)」
マーケットが成熟期にあり、マーケットシェアも高い事業です。マーケットは成熟し、その利益率は高いものの、過去に投資した設備を使ってお金を回収します。ここで回収された資金を他の花形(Stars)事業や問題児(Problem children)事業に振り分けることで、会社全体の売上を維持します。

ゆび矢印「問題児(Problem children)」
マーケットのポテンシャルは高いものの、まだ大きなシェアを獲得できていない事業です。
台湾進出のために立ちあげた新規台湾事業部は、初期段階ではこの問題児として位置づけられるでしょう。今後の成長のために比較的多くの資金が必要となります。経営陣はこの事業にどれくらいの資金と投入すべきか、競合他社から顧客を奪い取るにはどの位の強みを持っている必要があるか、競合他社はそれに対しどう反応してくるか、を考えながら資金と投入します。予想通りマーケットも成長し、社内の事業もうまくいけば、将来の花形(Stars)事業となります。予想に反してマーケットがあまり伸びず、社内でも事業がうまくいかなければ、後述の負け犬(Dogs)事業となります。

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ゆび矢印「負け犬(Dogs)」
マーケットの成長率、シェアともに低い事業です。成長の見込みもなければ、利益も上げないというお荷物事業がこれにあたります。企業は、この事業を維持するべきか、または売却すべきかの検討することになります。

企業は以上の「花形(Stars)」「金のなる木(Cash cows)」「問題児(Problem children)」「負け犬(Dogs)」の4つをバランスよく所有し、会社全体の資金の歳出、歳入をコントロールすることが求められます。

もし仮に、今回新たに台湾進出を狙う、と一念発起した会社があるとするならば、そこで新設された「台湾事業部」は資金のかかる「問題児(Problem children)」である可能性が高いでしょう。つまり、マーケットのポテンシャルは高いものの、まだ大きなシェアを獲得できていない事業という位置づけです。その場合、資金は「花形(Stars)」「金のなる木(Cash cows)」の利益から拝借する必要があります。これは国内事業であったり、その他のコア商品を持つ事業であったりします。

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まとめ

点矢印画像BCGマトリクスを使って、事業を「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4つに分類できる。
点矢印画像海外進出を目指すために設立した事業は、最初のうちは、比較的多くの資金が必要となるが利益は小さい「問題児」に分類されることが多い。
点矢印画像「問題児」に必要な資金を他の「花形」「金のなる木」の事業で得た資金を分配する必要がある。

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