台湾で日本語学校におけるセグメンテーションを考察する。

2017-06-06

企業のマーケティング担当者なら聞いたことがあるかもしれませんが、マーケティング戦略を立案するうえで、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、というマーケティング理論があります。

今回は、「セグメンテーション」にフォーカスを置き、台湾における日本語学校を例にしてセグメンテーションの大切さについて検証していきましょう。「セグメンテーション」は、市場細分化のことです。セグメンテーションでは、市場を顧客のニーズ、地域別、行動別などに仕分けをして、それぞれのセグメントの特徴を理解します。

日本語学校におけるセグメンテーション

ご存じの方も多いかと思いますが、台湾の日本語教育はとても盛んです。台北、台中、高雄などの大都市の中心地では多くの日本語学校の看板を見ることになり、まさに群雄割拠と言っていいでしょう。「地球村」という大手語学学校もあれば、個人で経営しているような小さい日本語学校もあります。そして、台湾の書店の語学コーナーでは、英語と並んで日本語のテキストや参考書がずらりと並んでいます。また、日本語書籍専用コーナーが設置されている書店もあります。

台湾においての日本語教育市場はまさに成熟市場であり、もし台湾で日本語学校を設立しようとすれば、その激しい競争の中に身を投じることになります。そんな台湾人消費者を日本語教育の観点から見た場合、どのようにセグメンテーションできるのでしょうか。

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セグメンテーションと言うと伝統的な方法としては人口統計別、いわゆる年齢、性別、職業、で分けることが主流です。つまり30代会社員、 40代会社員、学生、主婦、といったような分け方です。そして、企業としてどのセグメントをターゲットに戦略を立てていくのか検討するという流れになります。

市場がまだ未開発の場合は、このようなセグメンテーションでターゲット顧客にアプローチし業績をあげることができるのかもしれません。しかしながら、台湾の日本語学校のように、成熟しきった市場においては、このような伝統的なセグメンテーションは往々にして有効でない場合があります。特に現在では、消費者の趣味や嗜好は多様化しており、年齢や職業によって仕分ける事はあまり意味がなくなってきているともいえます。

それでは、このような人口統計別の仕分けのほかに、どのような仕分けがあるのでしょうか。

人口統計別と片付ける用事別

ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授によれば、人口統計別の仕分けの方の他、「片付ける用事別」に仕分けることができるとしています。
クリステンセン教授によれば、顧客が商品やサービスを選択し採用する理由は、その商品やサービスを利用することで、片付けるべき用事を解決することができるためである、と述べています。たとえば、5ミリの穴をベニヤ板に空けるために電気ドリルを購入する顧客は、電気ドリルそのものが欲しいのではなく、5ミリの穴が欲しいのです。電気ドリルの購入は、5ミリの穴を獲得するための手段でしかありません。この場合における「片付ける用事」は、「5ミリの穴を獲得すること」と言うことになります。

同じセグメンテーションであっても、市場を人口統計別に分ける場合と、片付ける用事別に分ける場合では、競合他社やマーケティング戦略が変わってきます。ですから、このセグメンテーションは非常に重要な作業だと言うことを認識しておくことが大切です。

それでは台湾の日本語学校を想定して、人口統計別・片づける用事別に市場を細分化してみましょう。

人口統計別セグメンテーション

人口統計別に分けると30代会社員、 40代会社員、学生、主婦、と分けられます。この場合、この学校の競争相手になるのは、他社の日本語学校、企業内研修、日本語教材が考えられるでしょう。仮に30代会社員をターゲットとした場合、考えられるマーケティング戦略の一つとして、

赤やじるしビジネス日本語講座、
赤やじるし忙しい人のために電車でも勉強できる日本語教育アプリ、
赤やじるし通信教育教材の販売等

が考えられるかもしれません。

◆人口統計別にセグメンテーションをした場合
ターゲット:30代会社員
考えられる戦略:ビジネス日本語講座、スマートフォンアプリの開発、通信教育教材の販売

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片付ける用事別別

では、片付ける用事別にセグメンテーションした場合はどのようになるでしょうか。日本語教室に通う理由として考えられるのは、

赤やじるし日本出張や日本駐在で急きょ日本語が必要になったため。
赤やじるし日本のドラマやアニメが好きで日本語に触れていたいため。
赤やじるし日本の建築物や文化が好きで日本に旅行をしたいため。
赤やじるし日本人と交流をしたいため。
などが考えられます。

その中から例えば、「日本ドラマやアニメが好きで日本語に触れていたい。」というセグメントをターゲットとトとした場合、その競争相手となるのは、他の日本語学校、日本語教材のほか日本ドラマのDVD 、CD、日本の漫画、日本人との交流イベントなどが考えられるでしょう。

そして、このセグメントを攻略するためのマーケティング戦略として、ドラマやアニメを教材とした日本語コースの設置、日本人との交流パーティーの開催、日本のドラマやアニメに関する情報掲示板などの開設による生徒数の維持、日本旅行ツアーを開催、などの戦略が考えられるかもしれません。

◆片付ける用事別にセグメンテーションをした場合
ターゲット:日本のドラマやアニメが好きで日本語に触れていたい人たち
考えられる戦略:ドラマやアニメを教材とする、日本人との交流パーティーの開催、日本旅行ツアーの開催

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まとめ

このように、セグメンテーションの仕方を少し変えるだけでターゲットとなるす顧客層が変わり、それに対するマーケティング戦略も変わってくることが分かっていただけたと思います。特に台湾の日本語学校のような成熟した市場では、片づける用事別の仕分けの方か結果的に効果的なマーケティング戦略が策定できる可能性が高いかもしれません。

台湾に進出する業界は、成熟しているのか、まだまだ未開発なのか、まずはそこから考えて、セグメンテーションとマーケティング戦略を立ててみましょう。

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