台湾進出に。クリステンセン教授の意図的戦略と創発的戦略とは?

2015-01-02

1428642_38745453新規事業を軌道に乗せ、ビジネス拡大、販路拡大をしていくにはどのようにするべきなのでしょうか。多くの経営者は、答えのないこの問題に対し試行錯誤しながらそのときベストであるステップを模索しながら突き進んでいます。

多くの経営者がやる事は、まず事業計画書作って、事業の目的、事業の推進方法を明確にし計画を実行しようとします。しかしながら、最初の事業計画書通りに事業を進めていける場合はほとんどなく、途中の段階で予想外の出来事に遭遇したり、予想外の市場の反応に直面したりするのが通常では無いでしょうか。

ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授は、自身の著書「イノベーション・オブ・ライフ(原題:How Will You Measure Your Life?)」の中で、経営者が事業を推進していく中で直面するこれらの問題について言及しています。今回はその一部をご紹介いたします。

クリステンセン教授によれば、企業が新規事業を始めるにあたって、その意思決定をするための選択肢には、主に2つの戦力から生まれるとしています。

意図的戦略と創発的戦略

1つ目は意図的戦略(Deliberate Strategy)です。意図的戦略とは、最初に作成した事業を計画書から予め予期された機会、企業が前もって予見し意図的に追求することができる機会に基づいて実行した戦略を指します。

多くの企業は、新規事業を始めるにあたって市場調査、競合他社分析等を行い事業計画書作成します。市場調査や競合他社分析を行った結果導かれたターゲット顧客や価格設定、販売促進戦略などを策定し、それに基づいて実行しようとします。

台湾進出のために台湾の新規事業を計画する場合を例にとると、あらかじめ作成した台湾事業計画書に基づいて台湾進出コンサルタントを雇ったり、台湾のビジネスパートナー開拓マッチングサービスを利用したりする場合もこれにあたります。

2つ目は創発的戦略(Emergent Strategy)です。創発的戦略とは、新規事業を進めていく途中段階で予期されない機会や問題に遭遇し、それにより当初の計画を修正した場合の戦略です。

例えば、海外進出や台湾進出をとくに検討もしていなかった企業に対して、ある日突然台湾企業がビジネスパートナーとしてアプローチしてきた場合などがそれにあたります。台湾企業の話を聞いているうちに、台湾進出も素晴らしい選択肢のひとつだと考えるようになり、本格的に彼らと組んで台湾で事業を行った場合、それは創発的戦略に基づいて新規事業を行ったということになります。

もしくは、当初の事業計画書に基づき、理想の台湾ビジネスパートナー等を探していた段階で、理想にしていた企業とは少し違うタイプの、しかし魅力のある企業が現れた場合はどうでしょうか。当初の計画に固執してあくまでも理想のビジネスパートナーを探すべきなのか、もしくは彼らのビジネススタイルに合わせて自分たちの戦略を修正するべきなのか、という選択肢を責められることになります。
後者を選択した場合は、創発的戦略を実行したことになります。

意図的戦略と創発的戦略はミックスされて現れる。

クリステンセン教授によれば、企業が新規事業を推進していく途中段階では、このように予期された機会と、予期されない機会が同時に現れることがほとんどであると述べています。確かにそうですよね。最初の計画通り全て物事がうまく運ぶ事は、我々の日常生活でも珍しい事では無いでしょうか。物事を進めていく中で、必ず当初予期しなかった機会や問題に遭遇し、それに臨機応変に対処していくことが我々の日々の生活の中でも求められていますよね。

企業の新規事業でもそれは全く同じことです。新規事業を進めていく中では、必ずと言っていいほど企業は意図的戦略を実行するのか、創発的戦略を実行するのかの判断に攻め迫られることになります。

クリステンセン教授によれば、企業がこのような選択に迫られたときは、意図的戦略と創発的戦略とのバランスを図り、どちらが自社にとってとるべき戦略なのかを考えていく必要があるとしています。

それを知るためには、当初作成した事業計画書に戻ってみるのがベストです。事業計画書を読んで、その新規事業を始める目的や意義、市場調査や競合他社分析から導かれたマーケティング戦略、販売戦略、組織戦略、財務戦略などについて、どのくらい自分たちが固執するべきなのかを今一度考えてみましょう。

仮に、事業計画書で策定した目的と意義、そして、それに基づいた戦略がはっきりとしているのであれば、企業はあくまでも意図的戦略に基づいて事業を実行していくことが理にかなっているといえます。予期されない機会や問題に遭遇したときは、それを一つ一つ検証しながら、なぜ当初の計画通り実行した方が良いのかを論理的に考えて、予期されない機会や問題を一つ一つ潰していくことになります。

逆に、当初作成した事業計画書の目的や戦略にそれほど固執するべきではない、と判断した場合は、創発的戦略に切り替えるべきでしょう。予期されない機会というのは、今後の大きなチャンスやターニングポイントとなる場合もあります。それらの機会に乗っかって、当初の計画を微調整しながら進めていくことが理にかなっていると言えるでしょう。

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まとめ

点矢印画像企業が新規市場を進めるにあたって、直面するのが意図的戦略と創発的戦略のどちらを実行するのかという判断。
点矢印画像意図的戦略とは、最初に作成した事業を計画書から予め予期された機会、企業が前もって予見し意図的に追求することができる機会に基づいて実行した戦略。
点矢印画像創発的戦略とは、新規事業を進めていく途中段階で予期されない機会や問題に遭遇し、それにより当初の計画を修正した場合の戦略。
点矢印画像クリステンセン教授によれば、企業が新規事業を推進していく途中段階では、このように予期された機会と、予期されない機会が同時に現れることがほとんどである。
点矢印画像どちらの戦略を実行するのか判断する場合は、当初作成した事業計画書を振りかえってみる。

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